ウィードガードをフライに取り付ける方法
（ウィードガード付きＭＳＣのタイイング）
【はじめに】
フライって、針先がむき出しですから、バスが潜んでいそうな障害物を
直接攻めることが難しいですよね。
そんなフライ特有の欠点を無くす方法が、
「ナイロンラインによるウィードガード」
です(^^)
この方法は、かの有名なDave Whitlockさんが考案されたとされています。
（決して私の専売特許ではありませんので、念のため(^^;）
このページでは、実際にＭＳＣをタイイングしていく中でウィードガードを
どうやって取り付けるのか、私なりの方法を写真入りでご紹介します。
（写真が見づらい時は、画像をクリックして、別ウィンドウでご覧になって
みて下さい）
ではごゆっくり(^^)／
ウィードガード付きＭＳＣのタイイング手順
これが今からタイイングするフライの写真です。
使用するマテリアルは、次の通りです。
【フック】 ここではロングシャンク（３Ｘロング）
のフック（Ken Protyers Hooks, KPN 3L, #8）
を使いました。
【スレッド】 ブラウン
【テール】 蛍光イエローのマラブー
【ボディ】 グレイフォックス
【リビング】 コパーワイヤー
【ウィードガード】 ナイロン４号（グンター）、約10cm
１．タイイングスレッドの取り付け
バイスにフックを固定し、シャンク部にヘッド
セメントを塗り、アイから３ミリの位置にタイ
イングスレッドを固定します。
２．ウィードガードとなるナイロンラインの固定
タイイングスレッドを固定した位置からテール
側へ向けて、ナイロンラインを固定します。
この写真では約半分ほど固定した状況が写って
いますが、シャンクの上部に真っ直ぐに固定
することが肝心です。
３．ナイロンラインを完全に固定する
前の写真の位置から、フックゲイプ側へ向けて
どんどんタイイングスレッドを巻き付けていっ
て、ベンドカーブの始まる位置まで固定します。
この段階でナイロンラインが真っ直ぐになる
ように修正し、ヘッドセメントを全体に塗布
して、完全に固定します。
４．マラブーを固定する
マラブーを適当にカットして、テールとして取り
付けます。テール側からアイ側へ向けて、スレッド
を巻き付けます。
５．マラブーを完全に固定する
マラブーを完全に固定します。
このあと、リビングとなるコパーワイヤーをテー
ル側に固定します。この時にワイヤーの先を２ミリ
ほど折り曲げておけば、タイイング作業時のスッポ
抜けが防げます。
６．ダビング用のループ作り
タイイングスレッドをアイ側までラフに巻き付け
ながら移動させ、アイから３mmほどの位置に来たら
一旦ハーフヒッチでスレッドを固定し、長さ10cm
ほどのループをスレッドで作り、再度ハーフヒッチで
スレッドを固定します。
７．ダビング
このフライを作る際に一番「慣れ」を要する段階
へ来ました。
まずグレイフォックスのファーを、毛足の長さが
15-20mmになるように刈り取っておきます。
このファーを、前の写真でできたスレッドのループ
に均一になるように挟み、スレッドを捻ります。
するとファーがスレッドにより付けられ、
ダビングが完了します。
右の写真はダビングまで終わった状態ですが、
ここから一旦テール側へ向けてボディを巻いて行き、
テール側で折り返して、アイ側まで戻ってきます
ので、ダビングの量を「最初は少なく、後へ行くほど
多く」なるように調整しておく必要があります。
なかなか言葉ではうまく説明できないのですが、ボディ
の太さが「後端は細く、先端は太く」なるような
プロポーションを意識して、量を加減して下さい。
８．ボディ作りの完了
ダビングされたボディ材を巻き付けていく時は
ハックルプライヤーでループの先端を掴めば、
作業がやりやすいでしょう。
ダビングしたボディ材をアイ側→テール側→アイ
側と巻き終わったら、巻き終わり部分をスレッドで
固定して下さい。
引き続きリビングをします。
テール側にあるコパーワイヤーを約3mmピッチで
ボディ材の上に巻き付けて下さい。
余ったコパーワイヤーは、アイ側でスレッドにて固定して下さい。
右上の写真は、リビングまで終了した段階の写真です。
ＭＳＣの場合、フワフワしたボディを作ることが重要です。
リビングが終わったら、ボディ材をピッキングします。
タイイングニードルなどを使って、
ボディに巻き込まれているファーを掻き出して下さい。
９．ウィードガードの固定〜フィニッシュ
最後にナイロンラインをアイ側に持ってきて、
ガードとなるループを作って、固定します。
テール側にあるナイロンラインを、バイスの隙間を
通してアイ側へ回し、先端をアイに通して、背中側
へ折り返します。
このナイロンラインをスレッドで巻き止めた状態が
右の写真です。
このあと、余分なナイロンラインをカットし、更にスレッドを巻いて、ハーフヒッチあるいは
ウィップフィニッシュで巻き止めたら、ヘッドセメントを塗って、作業完了です。
わざわざナイロンラインをアイに通して折り返しているのは、ガードループが時々
スッポ抜けてしまうことを防ぐためです。
お疲れさまでした。
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