寝台特急彗星ラストラン！

寝台特急彗星の廃止が決まったのは10月のダイヤ改正が発表された8月の初旬のことだった。今回ともに旅行することになった、友人N君から、彗星にのろうかという誘いがあった。彗星の最終運転の特急券は8月30日発売だった。N君は朝からJR猪名寺の駅に張り込んでくれて奇跡的に2枚の券を買ってくれたのだった。話によると400枚ほど用意されていた特急券は発売から30秒で売れてしまったそうである。

彗星の特急券（彗星特急券・寝台券9450円。）が手に入れば安心である。9月30日の乗車に向けてだいたいのスケジュールを考えていった。まずは京都から終点大分まで彗星に乗って（9月30日のみ終点は大分に変更になっていた。）、大分からはゆふDXで湯布院まで行き温泉を満喫、昼ごろにゆふいんの森で博多着、博多で撮り鉄してから新幹線で帰ろうということになった。乗車券だけで18840円した。9月の初旬に各特急の乗車券を購入。ゆふDXの展望車席も入手できた。帰りの新幹線はのぞみという豪華さである。九州では一度も各停に乗らない計画となっていた。

そこから9月30日までが長かった。ケンは某県立高校の期末試験（＝地獄）を控えており、それを乗り切れば、彗星乗車（＝天国）であった。言葉では表せないくらいの苦痛を味わいながら9月30日、乗車当日を迎えた。

・彗星乗車

JR三田を6時頃に出発する2772Mで大阪着18:35。その後113系の2編成併結8連運用2759Mを見るため大阪4番ホームへ。

この日充当されたのはS34・36編成だった。これを見に数人の鉄道ファンが来ていた。

19:00発の新快速3514Mで京都へ向かうが途中高槻駅手前で信号待ちで4分の遅れに待たされる。19:30過ぎ着。嵯峨野線ホームで駅弁を購入したかったが売り切れで、残っていたサンドイッチを買うことに。400円。N君はおにぎり2つを購入。

彗星入線の7番ホームへ。既に多くの鉄道ファンでにぎわっていた。

最終彗星・あかつき。あかつきはダイヤ改正後寝台特急なはと併結することになっている。

京都駅7番ホームには多くの鉄道ファンが駆けつけていた。

20時前、彗星・あかつきが入線してきた。多くのカメラが車両に向けられる。

この日の牽引はEF66-42。

鉄道ファンがシャッターを切る。

ケンとN君は彗星に乗車するため早速車内へ向かう。この日は彗星が6連（最長編成。）、あかつきが6連（最長編成より2両減車。7・8号車が連結されていない。）のラインナップで、見ごたえのある編成となってきた。多くの車両がB寝台であるが、この列車にしか連結されない車両も見ることができた。

ケンとN君が乗車したのは6号車11番上下段。おなじみの布団やシーツ、枕、ハンガーが並ぶ。ちなみに乗った車両はスハネフ15-4。14系15形の中でも古いほうの車両だ。

国鉄時代の忘れ物。栓抜きとJNRロゴ入りの灰皿。

荷物整理の後、車内見学へ。あかつきの最後尾14号車オハ14-300にあるミニサロンへ。6両を移動。かなり時間がかかった。途中あかつきの寝台車も見てきたのだがかなり空きが目立つようだった。これが寝台特急の現実である。

京都20:20発。ブルトレの車内から鉄道ファンを眺めるというのは気持ち良い。

列車は先行する新快速3525Mの後をついていくように走る。新快速相手ではブルトレは邪魔なだけだからだ。EF66も後ろから130km/hが走ってきたのではつらい。

列車は20:56に新大阪を出発。ここでも多くの鉄道ファンが見送った。

列車は大阪、三宮、姫路と快調に飛ばす。岡山着23:12ごろ。

垂水舞子間では明石海峡大橋のライトアップを見ることができた。9月30日は阪神優勝特別イルミネーションになっていた。阪神ファンのケンとN君は興奮。

彗星1号車からは牽引機EF66-42が目の前に見えた。これも客車列車だけのものだろう。ここまでアップで正面から顔を見たことがないので、改めてEF66のかっこよさを感じた。

鉄道リネンと書かれたスリッパ。いい感じです。

岡山着。遅い時間にもかかわらず鉄道ファンがカメラを向けている。ケンは半分寝ぼけながら車内から撮影。

ここからケンは4時間ほど睡眠・・・。

友人N君に起こされたのが4時頃。下関の機関車交換を見るためだ。

鉄道ファンはもちろん起きていた。ここで機関車がEF66から関門用EF81に替えられる。

関門用EF81-400番台。下関から門司までは彗星･あかつきを、門司から大分までは彗星を牽引する。ちなみにあかつきは、門司から長崎の間をED76-1000番台に牽引される。

門司では両列車が分割され、それぞれの行き先へ動き出す。彗星は通常ならば南宮崎行きだが、この日は大分行きであったため、通常とはスジが異なっていた。

列車は九州に入った。

宇佐駅。6時過ぎ着。よく見るとUSA、つまりアメリカ。

そろそろ日が射してきた。彗星の旅ももうすぐ終わりである。

別府着7時前。ケンにとっては久しぶりの別府である。

彗星号最終列車が大分へ着くことを案内するアナウンスがながれた。もちろん客車用標準チャイムもながれた。

別府を出ると、別府湾が左手に見えてきた。

7:07大分着。乗客はすぐに列車を出るように案内され、急いで荷物を抱えて外に出る。N君はその時宿題プリントを忘れたようだ。

大分まで牽引してきたEF81が外され反対側にDE10がやって来た。彗星編成を大分駅のヤードに移すためである。なお本来なら大分でED76に付け替えて、南宮崎を目指していた。

そして彗星は去っていった。だが数分後にはヤードで止まっているのが目撃された。この編成は16時頃南宮崎で行われる車両撮影会へ向かったようだ。ちなみに左上のカメラは関西地区のTBS系列の放送局MBSのカメラである。

ひとまず腹が減ったので途中下車して近くのミスド（名詞。関西人がミスタードーナッツを呼ぶ時こう言う。類語：マクド。）へ。肉まんとココナツチョコレート計272円。

ここからは九州の特急にいくつか乗車していく。

寝台特急彗星ラストラン！後編へ・・・